CONCEPT

日本のインテリアと欧米のインテリアを比べると日本はインテリア後進国で欧米に比べると洗練されていないという声をよく耳にします。
ではその要因はどこにあるのでしょうか?
センスの違いや住居の広さなどその要因は様々あるかと思います。
勿論すべてあてはまる部分もあるかと思いますが私の考えでは最も大きな要因はインテリアに対する歴史だと思っております。
住居の広さは欧州と比べますとさほど変わらない国もあります。センスに関しましても日本の建築様式は世界に誇れる物であると思います。
もっとも違うのは日本は椅子座の生活様式ではなく床座の生活様式で発展してまいりました。
そして床座が発展した日本の生活様式は日本の建築様式の素晴らしい発展と反して家具を使用しない歴史を歩んできたため、ベットもなければテーブル、イスもなく家具の歴史がなかったと考えております。 現代のインテリア様式が入ってきたのは戦後でありインテリアの歴史は70年ほどしかありません。 それまで指物や伝統工芸で非常に高い技術を発展させてきた日本は勿論洋家具へも反映させ日本の家具産業は新しいライフスタイルが追い風となり需要増から戦後急激に発展しました。

しかし急激に成長した家具産業は長いスパンの視野を持っていなかったと思います。
日本独自のライフスタイルに合わせた家具やインテリアの様式を展開してこずまた、家具メーカーとしての告知努力も足りていないと思います。
結果、現在ではほとんどのユーザーは日本の家具メーカーの名前すら知りません。
そしてインテリアや家具に対する根本的な知識も持ち得ておりません。
これは業界が投げかけや努力をしてこなかった結果と考えております。

先にも書きましたが日本の建築様式は素晴らしいです。
特に京都には数寄屋建築をはじめ数多く素晴らしい技術や伝統が現代も受け継がれており昨今では和の建築様式に対する注目も増えてきております。
しかしながらそこに合わせる日本独自の洗練された家具は私の知る限りではほとんど見当たりません。
それどころかその優れた建築に合わせるインテリアは北欧の物が殆どです。
悲しいことに日本建築のプロでも好んで北欧の家具を使用するケースが多々見受けられます。
勿論、北欧家具は素晴らしい物が多く日本の建築に合うのも事実です。
しかしながらやはり日本の建築様式には日本独自のデザインを取り入れた家具を入れてゆきたいというのがknotの思いです。
日本には和紙や畳をはじめ素晴らしい独自の素材、そして木材の使い方が伝統として脈々と受け継がれております。
四季のはっきりした日本では建築様式も自然と相互して発展しております。四季によって設えを変える、ガーデニングとしての庭ではなくアートに近い感覚での庭とのふれあい方この様な様式は日本にしか見受けられず世界に誇れる物であると思います。
勿論、現代の生活様式を和風にするといったことではなく、現代のインテリア様式に合わせ日本独自のインテリアの発展と日本にしかできない家具のデザインを現時点から盛り上げてゆきここからその歴史を刻んでゆきたいのがknotの大きな夢です。

まだまだこれからではありますがそんなknotの家具をご覧いただき触れて頂ければと思います。

代表取締役社長 栗山文孝